こんにちは。エンジニアデータバンク です。
近年、システム開発を高速化させるローコードやノーコード開発ツールが注目を集めています。
国内市場においても、2022年度のローコード・ノーコード開発市場の売上金額は前年度比16.0%増の709億4,000万円となり、2025年度には1,000億円を超えると予測されています。

出典:ITR
このような市場の拡大は、業務アプリケーションの迅速な開発やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に対する需要の高まりが背景にあります
特に、プログラミングの専門知識がなくてもアプリケーション開発が可能なローコード/ノーコードツールは、気軽にDXを始めるきっかけになるということもあり、多くの企業で導入が進んでいます。
本記事では、これらのツールの中でも特に注目されているMicrosoftの「Power Platform」について、その概要や構成サービス、導入のメリット、学習方法などを詳しく解説します。
それでは解説していきます。
Power Platformは、Microsoftが提供するローコード/ノーコード開発ツール群の総称であり、業務の自動化やデータ分析、アプリ開発を容易に行うためのプラットフォームです。
Microsoftが提供するシステム開発のためのサービスとしては、Visual Studioなどが挙げられますが、Power Platformは原則としてWebのみで開発・運用が完結します。
視覚的な操作で社内システムを構築できるというメリットから、プログラミングの専門知識がないビジネスユーザーでも簡単に活用できる点が特徴です。
Power BIは、企業内のデータを可視化し、分析するためのツールです。
BIは「ビジネスインテリジェンス」の略で、データを可視化・分析することが主な機能となっており、主に経営層に対しての意思決定を支援することを目的として利用されます。
主な特徴と機能は以下の通りです。
データをグラフや表として視覚化し、リアルタイムで更新します。様々なグラフで可視化したり、テーブルやマップなどと組み合わせたりすることで、社内のデータを分かりやすく表現します。
ExcelやSQL Server、クラウドサービス(Azure、Google Analyticsなど)と連携することで、社内にある様々なデータをPowerBI上で分析できるようになります。
PowerBI上のデータを利用して、自社で利用するAIを構築できます。データを選択してAIのモデルを作成することで、将来の予測が可能になるため、そのデータをもとに経営判断が可能になります。
Power Appsは、コードを書かずに業務アプリを作成できるローコード開発ツールです。
ブラウザ上から簡単にアプリを開発し、リリースすることが可能です。
PowerAppsの主な特徴は以下の通りです。
コンポーネントをドラッグ&ドロップするだけでアプリのUIを構築できます。
直感的なUIでアプリ開発が可能であり、非エンジニアであってもアプリを開発できます。
Microsoft 365、Dynamics 365、SharePointなどのサービスと統合することで、様々な場所のデータを取り扱うことが可能です。
特に、SharePointとのデータ連携が強力であり、SharePoint上のExcelデータを元にアプリを構築したり、PowerAppsからExcelのデータの書き換えをしたりすることが可能です。
作成したアプリは、PCのみではなく、スマートフォンやタブレットでも動作させることが可能です。
iOSおよびAndroidに対応しているため、外回りの営業など、スマートフォンをメインで利用するような社員が利用するアプリも容易に開発できます。
Power Automateは、ワークフローの自動化を実現するツールです。主な特徴は以下の通りです。
メール送信、ファイル管理、承認プロセスなどを自動化します。
SharePointと組み合わせることで、以下のようなことが実現できます。
Power Automateは、Webサービス連携とPC操作自動化の両方をサポートしています。
特に、Windows上で動作するPower Automate Desktopは、PCの操作を自動化させるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の機能を提供しています。 PowerAutomateでは自動化できないような外部サイトからのデータ取得や、PCにインストールされたデスクトップアプリの操作を自動化することで、様々な作業を自動化できるようになります。
AIを活用したデータ抽出や画像認識機能が利用可能であり、よく使われるようなAI機能を容易に利用できます。 例として、以下のようなAIが利用できます。
そのほか、自社のデータを元にトレーニングを行うことで、カスタムAIを作成することも可能です。
Power Pagesは、ローコードでWebサイトを構築できるツールです。主な機能は以下の通りです。
多くのテンプレートが用意されており、企業ポータルやカスタマーポータルを迅速に作成できます。
HTMLコードを1行も書くことなく、自由なWebサイトを構築できます。コンポーネントをドラッグ&ドロップで配置することで、自由にデザインを進めることが可能です。
ノーコードだけでなく、自社で利用する独自のコンポーネントを開発することも可能です。
これにより、標準機能では実現できないような複雑な処理も実現できます。
Power Pagesが提供するテンプレートやコンポーネントはレスポンシブデザインに対応しているため、さまざまなデバイスに適応できます。
Copilot Studioは、AIを活用したチャットボットを作成できるツールです。主な機能は以下の通りです。
直感的なインターフェースが提供されており、テンプレートを利用し、それをカスタマイズすることでオリジナルのAIチャットボットを容易に開発できます。
Copilotと外部サービスをつなぐ機能を追加で開発できます。これにより、AIチャットボットから様々なデータソースへ接続し、利用できるようになります。
たとえば、Power BIのデータにアクセスして分析したり、PowerAutomateのフローの中でAIを利用できるように構築したりすることが可能です。
Copilot Studioで開発したチャットボットは、Microsoft TeamsやカスタムWebサイトへ容易に組み込むことが可能です。
Power Platformを活用することで、以下のようなメリットがあります。
手作業を自動化し、業務負担を軽減します。特にノーコード・ローコードで開発を進めることが可能であるため、深いプログラミングの知識が無くても利用開始できます。
エンジニアでなくても、ビジネスに関する知識があれば気軽に業務効率化に取り組むことが可能です。
プログラミングの知識が不要なため、開発コストを大幅に削減可能です。Webブラウザ上で開発が完結するため、開発のための特別な環境を用意する必要はありません。
テンプレートやドラッグ&ドロップ操作による直感的な操作で、短期間で開発が可能です。
PowerPlatformは、Microsoftのクラウド基盤上で動作しており、高いセキュリティ水準が維持されています。Microsoftアカウントと統合されているため、 Microsoft 365などと同じアカウントを使って利用開始できます。
無料版あり、有料プランのPowerBI Proは月額1,499円/人。
なお、Microsoft 365 E5にはPower BI Proが含まれています。
Power Apps Premiumは 月額2,998円/人
開発者向けのプランは無料で利用可能ですが、制限があるため本番運用をする場合にはPower Apps Premiumの契約が必要です。
また、Microsoft 365のプランによっては、本機能の一部を利用可能です。
ワークフローの開発および実行が可能なPower Automate Premiumが月額2,248円/人、もしくはプロセスごとに利用可能な Power Automate Processが月額22,488円/ボット で利用できます。
作成するサイトが公開サイトか認証済みユーザーのみが利用するサイトかによって料金が異なります。
匿名ユーザーのみ利用する場合は、月額11,244円/月(500ユーザー)で利用できます。
認証済みユーザーが利用する場合は、月額29,985円/月(100ユーザー)で利用できます。
それぞれ、利用するユーザー数が多くなると追加料金がかかりますので、利用ユーザー数をあらかじめ予測しておく必要があります。
月額29,985円/ライセンス、もしくは月額4,497円/人で利用できます。
ここからは、Power Platformを学習するための方法を紹介します。
Microsoft Power Apps入門 手を動かしてわかるローコード開発の考え方
Power Platformの中でも、アプリを開発できるPower Appsの基本から応用までを実践的に学べる書籍です。
本書の内容は、Microsoft 365の契約内で利用できるPowerAppsの範囲が学習できるため、PowerAutomate Premiumの契約が無くてもPowerAppsを使い始める方法を一通り学ぶことが可能です。
Microsoft Power Platformローコード開発[活用]入門 ――現場で使える業務アプリのレシピ集
Power Platform全体の活用方法を学べる一冊です。
業務への応用方法が具体的に解説されていますので、「評価版を利用してみたいが、1カ月しかないので効率よく評価ができるか不安」という方におススメの一冊です。
Udemy:「作って学ぶPower Apps!すぐに現場で使えるアプリを3つ以上作成」
Power Appsの実践的な使い方を学べるコースです。
実際に使えるアプリをチュートリアル形式で進めながら開発できますので、より実践的な知識が身につきます。
Udemy:「作って学ぶPower Automate ! 現場で役立つ15個のフローを作って業務改善にすぐに役立てる」
Power Automateを活用して業務改善を行うためのノウハウを学べます。Power Automateだけでなく、SharePointやPower Appsといった、業務で一緒に使うことの多いサービスと組み合わせて利用する方法も内容も含まれますので、より実践的な内容となっています。
Microsoft Power Platformは、業務の効率化やDX推進に貢献する強力なツールです。Power Platformはエンジニアでなくても使える一方で、エンジニアがうまく活用することで、より効率的なアプリ開発が実現できます。
フルスクラッチと比較しても非常に高速に社内システムを構築することができますので、エンジニアとしても様々な手段を身に着けることは仕事を得る上でも非常に有用です。
ぜひ本記事を参考に、Power Platformの活用を検討してみてください。
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