こんにちは。エンジニアデータバンク です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、各社のデジタル化が急速に進んでいます。
システム開発の中で重要なのが「ソフトウェアの品質」 です。
2022年にIPAが実施したデータによると、わずかではあるが「ソフトウェアの生産性は低下し続けている」というデータが公開されています。
この背景には、開発スピードの向上や、ソフトウェアの複雑性が増している ことが考えられます。
そんな中で、ソフトウェアの品質を担保する役割を果たすのが「QA(品質保証)エンジニア」です。
QAエンジニアの主な業務は、ソフトウェアのテストを管理し、品質を担保することです。
とはいえ、あまり人数が多い職種ではないため、現役のエンジニアの中でもQAエンジニアについて詳しい方は多くないでしょう。
しかし、事業会社の場合はソフトウェアの品質が利用者の満足度に直結するため、QAエンジニアの需要が高まりつつあります。
この記事では、QAエンジニアの仕事内容や年収、必要なスキルや資格など、QAエンジニアについて知りたい内容を解説していきます。
転職市場でも募集人数が増え続けている職種ですので、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは解説していきます。
QAエンジニアの主な仕事内容は、ソフトウェアやシステムの品質を保証し、ユーザーに高品質な製品を提供することです。
具体的には、テスト計画の立案からテストケースの作成と実行、バグの報告と管理、テスト結果の分析と報告、そして品質改善提案まで、広範な業務を担当します。
ここでは、QAエンジニアの仕事内容についての詳細を解説します。
テスト計画の立案は、QAエンジニアが行う重要な仕事のひとつです。
プロジェクトの要求仕様や目標に基づいて、テストの目的や範囲、使用するテスト環境、必要なリソース、スケジュールを詳細に計画 します。
この計画の品質が、そのままソフトウェアの品質に繋がります。
ソフトウェアの特性や機能に応じた適切なテスト計画を策定することが、QAエンジニアの腕の見せ所であると考えましょう。
テスト計画に基づき、具体的なテストケースを設計・作成 します。
テストケースは、ソフトウェアの機能や仕様に基づき、正常動作と異常動作の両方を確認するために設計を進めます。
作成したテストケースを実行することで、ソフトウェアの動作を検証し、潜在的なバグや不具合を早期に発見します。
また、テストを実施する際には、人の手で実施する手動テストと、テスト用のプログラムを使った自動テストツールの両方を駆使して、効率的にテストを実行します。
テスト中に発見された障害や不具合を詳細に記録するため、テスト実施者はバグ追跡システムなどに登録します。
場合によっては、Excelなどの管理表に記載していく場合もあります。
QAエンジニアは、発生した障害を分析します。障害や不具合の情報を確認・管理し、不具合が解消されるまでの進捗を管理します。
QAエンジニアがこれらの管理を引き受けることで、開発チームは発生した不具合の改修に集中できます。
これにより、迅速に問題を解決し、品質の高い製品をリリースすることができるようになります。
テストが完了したら、テスト結果を分析し、報告書を作成 します。
この報告書には、発見されたバグの詳細、テストのカバレッジ、品質の評価が含まれます。
テスト結果の分析は、製品の品質を評価し、改善点を特定するために不可欠です。
この分析結果をもとに、次の開発サイクルでの品質向上を図ることになります。
テスト結果に基づいて、QAエンジニアは品質改善のための提案 を行います。
これには、開発プロセスやテストプロセスの改善、ベストプラクティスの導入などが含まれます。
品質改善提案は、製品の品質を継続的に向上させるための重要なステップです。
開発チームと連携しながら、より良い製品を提供するための改善策を実施します。
それでは実際に業務委託で募集されているQAエンジニアの案件を見てみましょう。
過去に募集されていた内容を一部編集し、記載しています。
例1
BtoB向けシステム開発のQAエンジニア
| 詳細 | BtoBのシステム開発において、QA作業を実施。 ・要件の整理、仕様の策定、UXのレビュー ・テスト計画、設計、不具合報告 ・自動テストの導入、計画、実行 |
| 必要なスキル | 事業会社における開発、またはQAの経験 |
| 報酬 | 月額80万円(税抜) |
この案件ではtoB向けのシステム開発のQAエンジニア が募集されています。
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例2
製造業におけるデータ利活用プロジェクトのQAエンジニア
| 詳細 | 詳細開発システムのセキュリティリスクや運用リスクの分析や対策立案を実施 。 ・データ利活用テーマでのセキュリティリスクの分析と対策案の立案・実施 ・CI/CD環境でのセキュリティソリューションの活用方法の立案・実施 ・QAチームにおけるリード業務(メンバー育成やサポート) |
| 必要なスキル | ・ITシステムの開発および運用管理 ・情報セキュリティ技術の一般的知識 ・プロジェクトマネジメントの経験 |
| 報酬 | 月額120万円(税抜) |
この案件では、データ利活用プロジェクトにおけるQA業務を行うエンジニアを募集しています。
QA業務だけでなく、更新育成も含んだ業務が想定されているため、高単価となっています。
続いてQAエンジニアと、よく比較される職種との違いを見ていきます。
テストエンジニアは、主にテストの実行に焦点を当てる役割です。
具体的には、テストケースの実行と結果の報告に集中します。
一方、QAエンジニアは、テスト計画の立案や品質改善提案など、品質保証全般に関わる広範な業務を担当します。
QAエンジニアは、テストエンジニアの役割を含むより包括的な品質保証の責任を負います。
セキュリティエンジニアは、システムやネットワークのセキュリティを確保することに専念します。
彼らの主な役割は、脆弱性の評価やセキュリティ対策の実施です。
QAエンジニアは、製品全体の品質保証に焦点 を当てており、セキュリティもその一部として扱いますが、全体の品質管理が主な役割です。
セキュリティエンジニアは、特にセキュリティ関連のリスクを管理し、対策を講じる専門家です 。
SREはシステムの信頼性と運用効率を維持することが主な業務です。
システムの稼働時間を最大化し、障害発生時の迅速な対応を行うために、インフラストラクチャの監視、アラート設定、キャパシティプランニングなどを担当します。
QAエンジニアは主にソフトウェアのリリース前の品質保証を担当し、テストに重点を置いています。
これに対して、SREはシステムの運用中の信頼性とスケーラビリティを確保することに重点を置き、自動化や監視を通じて運用効率を高めるように活動します 。
ソフトウェアとシステムの品質を異なるフェーズで支える重要な役割を果たしている、と考えると良いでしょう。
QAエンジニアの需要は今後も増加すると予想されています。
ソフトウェアの複雑性が増す中で、今後も分業化が進んでいきます。
品質管理という目的がなくならない以上、QAエンジニアに相当する業務の重要性は今後増えていく ことが予想されます。
特に、テスト自動化やAIを活用した品質保証の進化により、新しい技術やスキルの習得が求められていくでしょう。
QAエンジニアとして成功するためには、様々なスキルと知識が必要です。
ここでは、QAエンジニアとして働くにあたって必要なスキルや知識について解説します。
まず、QAエンジニアにはプログラミング言語の知識が求められます。
これは、開発言語に応じて適切なテスト手法が存在するためです。
利用頻度の高いプログラミング言語としては、Python、Java、JavaScript が挙げられますので、これらのプログラミング言語の特徴をしっかりと把握しておく必要があります。
さらに、近年では自動テストツールも多様化の傾向があります。
そのため、自動テストツールに関する知識や利用方法を把握しておくことも大事です。
具体的には、SeleniumやAppiumなどのテスト自動化ツール が挙げられます。
これらのツールを使いこなすことで、テストの効率化と精度向上が図れます。
QAエンジニアには、テストデータやテスト結果の分析能力が求められます。
テストデータを正確に分析し、結果を評価する ことで、ソフトウェアの品質を向上させるための貴重な洞察を得ることができます。
また、問題の根本原因を特定し、解決策を提案する能力 も不可欠です。
これにより、バグや不具合を迅速に修正するだけでなく、展開修正や類似のバグを一緒に見つけて修正することで、同様の問題の再発を防ぐことができます。
QAエンジニアとして活用するためには、効果的なコミュニケーションスキルも重要です。
バグの報告やテスト結果の共有を明確かつ効果的に行う能力は、開発チームとの協力を円滑に進めるために欠かせません。
さらに、開発チームや他のステークホルダーとの連携を円滑に行う能力も必要 です。
これにより、プロジェクト全体の進行をスムーズにし、最良の結果を達成することができます。
QAエンジニアとして最も重要なスキルが、ソフトウェアの仕様書や要件定義書を正確に理解することです。
正しくソフトウェアの仕様を理解することで、その仕様に基づいて適切なテストケースを作成し、ソフトウェアの品質を確保できます 。
また、QAエンジニアとしてステップアップするためには、技術的な詳細を他のチームメンバーやステークホルダーに効果的に伝える必要があります。
自分で理解するだけでなく、複雑な技術的概念を理解し、それを簡潔に他人へ説明することも必要ですので、インプット・アウトプットの両方の能力を鍛える必要があると考えましょう。
それでは具体的にどのようにQAエンジニアになれば良いのでしょうか。
ここでは新卒・第二新卒の場合と、中途の場合に分けて解説します。
QAエンジニアになるためには、知識だけでなく、実際に開発業務におけるテスト業務の経験が必要不可欠です。
新卒や第二新卒からQAエンジニアを目指す場合、まずは基本的な開発手法を身に着けることからはじめましょう。
基本的なコンピュータサイエンスはもちろんのこと、プログラミング言語の基礎知識や、システム開発の開発手法を身につけます。
その上で、様々なシステム開発に携わり、システム開発における仕様の考え方を身に着けていきます。
まずは、QAエンジニアが作成するテストケースを実施する「テストエンジニア」からスタートするのが良いでしょう。
QAエンジニア目指す場合にはシステムに対する知識と開発システムの業務を理解する必要があります。
開発対象の業務に関する知識があれば、その知識をテストケース計画の策定やテストシナリオの設定に活かすことも可能です。
ただし、すぐにQAエンジニアになれるわけではなく、エンジニアリングに関する知識や開発経験が必須です。
それまでの経験をうまく活かせる開発案件に参画することでQAエンジニアへの最短ルートが確保できるでしょう。
最後に、QAエンジニアが取るべき資格についてご紹介します。
QAエンジニアの仕事に役立つ資格を取得することで、専門性も高まりますし、知識の証明にもなるためキャリアアップにつながります。
JSTQB認定テスト技術者資格は、ソフトウェアテストの知識とスキルを証明するための資格です。
基礎レベルから上級レベルまで、複数のレベルがあります。
この資格を取得することで、テスト技術の理解が深まり、実務に役立てることができます。
品質管理検定は、品質管理の基本的な知識を証明する資格です。
製造業だけでなく、IT業界でも役立つ知識を提供します。
この資格を取得することで、品質管理の基本概念を理解し、QAエンジニアとしての業務に応用できます。
情報処理安全確保支援士は、情報セキュリティの専門知識を証明する資格です。
QAエンジニアとしてセキュリティに関する知識を持つことは、品質保証の一環として非常に重要です。
この資格を取得することで、セキュリティ関連のリスクを管理し、適切な対策を講じる能力が身に付きます。
以上、「QAエンジニアになるには」を具体的なステップとともに解説してきました。
自動化やソフトウェアの複雑化に伴い、テスト自動化や新しいテスト戦略の開発が重要視されています。
また、DevOpsやセキュリティ分野の発展により、早期テストやセキュリティテストの専門知識を持つQAエンジニアへの需要が増加しています。
品質管理という新たなアプローチでビジネス課題解決に携わりたい、年収をアップしたい、という方はぜひQAエンジニアとしての転職を目指してみても良いのではないでしょうか。
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